また、どんなに針を消毒しても、バクテリアの全てを殺菌することは不可能なため、
針に付着したバクテリアや細菌がそのまま皮膚内へと入り込んでしまいます。
さらに、インクの原料には何百種類もの化学物質が使用されているため、
中には毒性や発がん性があるとされる鉛やニッケル、クロムなども含まれます。
体内に侵入したこれらの物質に対し、すぐに体を保護すべく何十万ものマクロファージが動き出します。
マクロファージには、体内に侵入した異物を取り込んで、死滅するまで攻撃を行う働きがあります。
しかし、タトゥーで用いられるインクの粒子はマクロファージが取り込めないほど大きく、
マクロファージは攻撃を行うことができません。
そこでマクロファージはインクの粒子の拡散を防ぐために、毒性のある化学物質を抱えたまま、
線維芽細胞とともにその場に留まることを選択します。
その結果、インクを保持したマクロファージの色が表皮を通して現れます。
そのため、色鮮やかなタトゥーが体の表面に浮き上がって見えるというわけです。
しかし、タトゥーは永遠に残るものではありません。
時間の経過とともにインクを保持していたマクロファージが古くなり、寿命を迎えていきます。
その際、インクが間質液などに流れ出てしまいます。
したがって、次第にタトゥーが薄くなっていきます。
タトゥーを入れることは体に悪影響を与えますが、同時にタトゥーを除去することでも悪影響が生じます。
これはタトゥーを除去する際、インクに対してレーザーを当てることでインク粒子が細かくなるまで
加熱するのですが、その過程で健康なマクロファージも分解されてしまうためです。
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