
プロジェクト・アルファ
https://note.com/logician/n/n84f2cf2b8f6... 一九七九年、マクドネル・ダグラス航空株式会社の会長ジェイムズ・マクドネルは、
ミズーリ州セントルイスのワシントン大学に「マクドネル超心理学研究所」
を設立するため、当時としては破格の五十万ドルを寄付した。
彼は、科学技術者である一方で、超常現象に深く関心を持っていたため、
この寄付によって「超心理学」を発展させようと考えたのである。
(中略)
ところが、驚くべきことに、研究所の厳重な審査を経て選ばれた二人の少年が、
実は奇術師ジェームズ・ランディの弟子だったのである。
もちろん、二人の「超能力」も、すべてトリックだった。
ランディは、この潜入作戦を「プロジェクト・アルファ」と呼んだ。
(中略)
マクドネル超心理学研究所の研究員らは、「サイコキネート」なる新語まで
創り上げるほどに、二人の少年の「超能力」を信じて疑わなかった。
実験は、実験者と被験者が互いにリラックスした雰囲気の中で行われ、
単純なトリックが「超能力」と認められて報告されるにつれて、
さらに被験者が操作しやすい環境に変わっていった。
(中略)
一九八三年、ランディはプロジェクト・アルファの全容を公表した。
二人の少年は、すべてがトリックだったと公表された後にも、
「自分では気付かずに、本当は超能力を使っていたのではないか」
と聞かれたという。
彼らは、超心理学者ばかりではなく、一般大衆が、どれほど超常現象を
信じたがっているのかを知って、驚愕したと証言している。
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