世界的にヒットしたドラマシリーズ『ツイン・ピークス』や数々の名作映画を世に送り出し、アーティストとしても活動したデヴィッド・リンチが78歳で死去した。
1月16日、彼の遺族がFacebookで公表した。死因は明らかにされていないが、昨年、彼は長年の喫煙が原因で肺気腫を発症したと告白していた。
リンチの遺族は、「デヴィッドがもうこの世にいない今、世界に大きな穴が開いたような気がします。
でも、彼がよく言っていたように『ドーナツに目を向けて、穴に目を向けないようにしましょう』。今日は金色の太陽と青空が広がる美しい日です」というメッセージで彼の死を悼んだ。
近年アーティストとしてのリンチを支えたPaceギャラリーの社長兼CEOマーク・グリムシャーは、US版ARTnewsの取材に対して、
「リンチの全盛期である80年代と90年代に成長した幸運な人々は、彼の才能によって脳の構造が作り変えられるぐらい大きな影響を受けたことでしょう。
彼は狂気を哲学に変えた、純粋なクリエイターです。その損失は計り知れません」と哀悼した。
デヴィッド・リンチは1946年にアメリカのモンタナ州ミズーラに生まれた。
1960年代後半にボストン美術館付属美術大学とペンシルベニア美術アカデミーで絵画を学んでいた頃にストップモーション・アニメーションと映画撮影の基礎を学び、映画監督の道へと進んだ。
彼は『イレイザーヘッド』(1977)で長編映画の監督としてデビューし、豪華さ、神秘性、怪物性、そして人間性が表現された「リンチ的」と呼ばれる作品を世に送りだすようになる。
そして『エレファントマン』(1980)『マルホランド・ドライブ』(2001)など3作品がアカデミー賞で監督賞にノミネートされた。
また、ドラマシリーズ『ツイン・ピークス』(1990‐1991、2017年に続編シリーズが制作)は、
メロドラマや探偵小説要素が盛り込まれた謎が多いストーリーが世界中のファンを虜にし、「カルトの帝王」とも称された。
2016年には、彼の芸術活動にフォーカスした長編ドキュメンタリー映画『デヴィッド・リンチ:アートライフ』が公開された。
リンチは、「画家としてではなく、他のことで知られていると、人々は真剣に受け止めません。
人間は1つのことだけをするべきだと思われがちですが、今は状況が変わりました」と2018年にUS版ARTnewsに語っている。
「流動性」によって特徴づけられる彼のキャリアにおいて、唯一の共通点は作品に含まれた「謎」だ。
リンチは、グロテスクな赤ん坊と格闘するシングルファーザーを描いた映画『イレイザーヘッド』が、自身の作品の中で最も精神性が高い作品であるとかつてインタビューで語っている。
この作品について詳しく説明するように求められたリンチは、しかし「ノー」と答えている。やはり全ては謎のままなのだ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/47a9ffd1831c88350c273...
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