>>30 武壮さん、すさまじい苦労をされたんですね…。
ただ、武井さんがそうであると決めつけるわけではありませんが、
人間は、苦難を経験することによって、必ずしも人間性が磨かれたり、
謙虚になって他者に優しくなれたり、深い人生哲学を持つに至ったり
するとは限らないようなので、「苦労人=善人・賢者」というバイアス
には気を付ける必要があります。
たとえば、日本ボクシング連盟会長であった山根明氏のように、
苦難を乗り越えて成功し、下手に地位や肩書を得てしまうと、
「過去の苦労の損害賠償」を求める心理がはたらいて特権意識が肥大し、
かえって度を越した傲慢な人間になってしまうケースも多いのです。
かつてのイギリスでも、貴族出身の政治家には「自分はたまたま出自に恵まれていただけだ」
という意識があって庶民に対して同情的であり、ノブレスオブリージュという精神も
持ちあわせていましたが、逆に、庶民から成りあがった政治家に限って、
むしろ庶民の気持ちや立場を無視するような酷い政策を平気で行ったそうです。
「殴られる痛みを知っている子は、簡単に人を殴らない」というのは有名な誤謬で、
実際には、殴られて育った子の方が、躊躇なく他の子を殴ります。
加えて、努力して成功した人間には、成功していない人に対して、「努力が足りない」
「あいつらは怠け者だ」と見下してしまう心理が、顕在的であれ潜在的であれ、
どうしても芽生えてしまうようです。
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