>>25 >禁煙運動が本格的になってから四半世紀になり男性の喫煙率は1/3以下にまで減少しましたが、
>肺がんの発症は国立がん研究センターの統計によれば、約7倍に増加しています。
確かに、週刊誌やネット上で「タバコでがんになるというのは嘘」
という記事をよく見かける。
その根拠としては、「日本は喫煙率が下がっているにもかかわらず、
肺がんの死亡率は上がっている。
だからタバコを吸うと肺がんになる、というのはウソだ」というものだ。
確かに、1960年代は8割の人がタバコを吸っていたが、そこから喫煙率は
下落の一途をたどり、近年では約2割となった。
その一方で、肺がんの死亡率は上昇し続けている。
「タバコが肺がんの原因になる」ということは、当のタバコの箱にも書いてあるほどだが、
だとしたらなぜ、喫煙率が下がっているのに肺がんの死亡率は上がっているのだろうか。
一部の評論家たちが主張するように、実はタバコは肺がんの原因ではないのだろうか?
無論、これは全くの誤謬だ。
喫煙率が下がってから肺がんの死亡率が下がるまでには約30年のタイムラグ(時間差)があるから
そう見えるだけである(もう少し待てば日本でも肺がんの死亡率が下がってくる)。
また、日本はものすご勢いで高齢化しているので、その影響でがんによる死亡率が上がってしまう
という現象も加わっている。
高齢になればなるほど、がんを発症したり、がんで亡くなる可能性は高まるからだ。
逆に言えば、多くの人が、昔のように結核や脳溢血で若死にせずに、がんを発症する年齢まで
長生きできる時代になった…ということの裏返しでもある。
高齢化の影響を排除して正確なデータを得るためには、年齢構成を補正した「年齢調整死亡率」
を使用する必要がある。
補正後の正しいグラフを見れば、喫煙率の低下に伴い、肺がん年齢調整死亡率は1996年をピークに
年々低下していることが分かる。
(喫煙後すぐに肺がんになるわけではないので、発症までに約30年のタイムラグが生じる)
つまり、死亡率が高くなっているのは高齢化が主因であり、その影響を排除すると、
やはり肺がん死亡率は右肩下がりで減っているということだ。
数多くの研究でタバコが肺がんの原因になることは明らかになっており、
もはや議論の余地はない。
グラフを悪用し、読者をミスリーディングしようとするメディアや評論家は、
悪質極まりないとしか言いようがない。
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