世界選手権2連覇という実績を引っ提げ、パリ五輪の開会式で日本選手団の旗手を務めたフェンシング・女子サーブルの江村美咲(25)が、まさかの3回戦敗退に終わった。
女王の敗戦に列島が驚きを隠せずにいるなか、江村は思わぬ形で批判を受けることとなった。
事の発端は、開会式だ。江村は雨の中でも笑顔を貫き、旗手としての役目を全うした。その凛々しい姿には賞賛の声が上がる一方で、式終了直後にSNS上へ投稿されたとあるポストが物議を醸したのだ。
「選手の毛染めは辞めて(ママ)欲しいわ。海外で笑われるからね」「東洋人が金髪にすると北米や欧州では裏で笑われる」
江村のトレードマークともいえる金髪を揶揄したこの投稿には、1万件以上のいいねがつき、「似合っているのだからいいだろう」、「たしかに日本人が金髪は国際的に恥ずかしい」と賛否両論のコメントが寄せられた。
はたして、江村の金髪は“恥ずかしい”のか?
本誌記者は現地の声を聴いてみた。なお、日本人である記者がフランス人に「日本人の金髪をどう思うか?」と質しても本音を引き出せないと考えたため、
今回はメディアセンターで出会ったフランス語を解するカナダ人記者に協力を仰いだ。
「たしかにアジア人をバカにする最悪なヤツらもいるけれど、彼らは単にレイシストなのであって、ヘアスタイルを笑っているワケではない。たぶん、そのアジア人が黒髪でも笑うんだよ。
そもそも、そんなクソったれどもに笑われたからって、なんでヘアスタイルを制限しなきゃならないんだ?
大人しく引き下がって言うことを聞いていたら、彼らはずっとバカにし続けるよ」(現地住民の40代男性、エッフェル塔近くのビストロ店員)
「恥ずかしいからやめろ」という論調の加害性について語る人も。
「私は日本人の綺麗な黒髪に憧れがあるから、わざわざ金色に染めるのはもったいないと思う。でも、恥ずかしいかどうかはそのヘアスタイルを選んだ個人が決めることで、周りがとやかく言うことじゃない。
人の髪型を裏で笑うような人が本当に実在するなら、それは他人を貶めることでしか快楽を得られない可哀想な生き物ね。
“恥ずかしいからやめろ”って言う人は、自分自身が差別に加担していることにもう少し自覚的になるべきだと思う。
だって、それって『差別主義者の言うことをしっかり聞いて、我々は大人しくしていましょう』ってことでしょう? そんなのナンセンス。それに、いまではヨーロッパにアジア系の人はたくさんいる。
それでもアジア人をバカにするような人たちはほとんど高齢者なの。言うこと聞かなくていいわよ」(20代女性、シャンゼリゼ通りのカフェ店員)
https://friday.kodansha.co.jp/article/38459...
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