「赤信号みんなで渡れば怖くない」というのか、日本人にみられる特有の「同調圧力」というのか。もはや「集団いじめ」の類いではないか。
7日投開票された東京都知事選で落選した元参院議員の蓮舫氏(56)に対するテレビメディアなどによる異様で執拗な“バッシング”のことだ。
落選した蓮舫氏を巡っては、「昔からの友人」を語った元宮崎県知事で元衆院議員の東国原英夫氏(66)が「生理的に嫌いな人が多い」などと、根拠も示さず好き勝手に辛口論評する芸能人らが後を絶たない。
タレントの上沼恵美子(69)も14日、読売テレビの「上沼・高田のクギズケ!」で、蓮舫氏についてこう語った。
「もし私が舞台出ていって、お客さん、蓮舫さん一番前やったら、やりにくいな。笑てへんやん」
「蓮舫さんキツイもんね。頭がいいっていのを出し過ぎやねん。しゃーないねんけどね、頭いいから。女から見たら、嫌と思う。会ったことないけどね」
これに対し、蓮舫氏は15日にX(旧ツイッター)で、《そんな貴女のセンス、これはユーモア?ギャグ?コメディ?なのかしら。1番前の席に座っていたとしても、私は笑えないなあ》と投稿していたが、
東国原氏も上沼氏もそろって「友人でもない他人」「会ったことない人」をなぜ、公共の電波で取り上げて酷評できるのだろうか。蓮舫氏が権力者であればともかく、今は落選した「タダの人」だ。
「けっこう世の中では石丸さんに注目が集まっていますが、私は蓮舫さんにもっと注目すべきだと思っていて、
3位になった蓮舫さんが選挙が終わっても、なおこれだけ理不尽なバッシングを受けているというのが一番特徴だと思います」
島根県の丸山達也知事(54)は都知事選の感想を問われた際にこう答えていたが、これが真っ当な感覚を持った人の感想だろう。
SNS上では、“蓮舫叩き”が続いている状況について、《あなた(蓮舫氏)が今までやってきたことのブーメラン》などと揶揄する投稿も少なくない。
蓮舫氏が国会質疑で首相や閣僚に対して舌鋒鋭く切り込む姿と重ね合わせているのだろう。
だが、国会質疑で野党議員が政府・与党に対して厳しい姿勢で臨むのは当たり前で、そもそも何を聞いてもノラリクラリはぐらかし答弁を続け、
資料請求しても黒塗りの「のり弁」しか示さないのであれば、口調や質問内容がきつくなるのは必然ではないのか。
蓮舫氏は落選したとはいえ、128万票余りを得たのだ。
バッシングは蓮舫氏に投票した都民に対する侮辱でもあるだろう。テレビメディアは過去の国政選挙や首長選で、落選した候補者をこれほど長期間、叩きまくったことがあるのか。
何となく面白いから。みんながやっているから……冷静さを欠いた報道姿勢は「いじめ」の集団心理と何ら変わらないだろう。
https://news.yahoo.co.jp/articles/0663b69784f789417e9e4...
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