浩一さん:
「情報を集めていたアカウントの人たちみんながみんな同じようなことを言っていて、
自分で調べても主張に沿う情報を検索しているだけで似たような情報ばかり流れてくるので、
『もう間違いない』と強い確信みたいなものがどんどん芽生えていました」
ところが、「トランプ氏が復活当選する」とされた日には何も起きなかった。
大きな衝撃を受けた浩一さんが、今までブロックした人たちの投稿を見返してみると、
自分たちの主張の矛盾を突きつけられていたことが分かった。
今は感情を揺さぶられやすいフェイク情報を拡散しないように、
ファクトチェックしている発信者の情報を見るようにしている。
浩一さん:
「まわりが言っていたことが何一つ起こらなかったのが頭を殴られたような感じで、
『みんなうそを言ってたんかな』と考え出してから、自分がおかしかったことに気付きました」
●抜け出せたのは家族のおかげ
「急に世界の闇に触れてテンションが上がってしまったというか、
大変なことになるから知らせないとみたいな気持ちになってました」
40代の加奈さん(仮名)も、2020年秋に「米大統領選挙で不正選挙があった」
「コロナは茶番でPCR検査もうそ」といった言説にのめり込んだ。
きっかけは同世代の女性が集まるネットの掲示板で、
「トランプ氏は世界を牛耳る闇の勢力と戦っている」といった話で盛り上がり、
さらにツイッターで情報収集するように。
疑問を感じたのは、翌年1月の米下院議会襲撃事件だった。
とんでもないことが起きているらしいとツイッターを見る中で、
これまで気に留めなかったある投稿が目についたという。
加奈さん:
「トランプ氏に関する投稿のファクトチェックをしている個人のアカウントが、
画像の転載元のリンクとその内容を分かりやすく紹介してくれていたんです。
フォローしていたアカウントを見返してみるとトランプ氏の実績や人気を伝える画像が
全然別のニュースのもので、後付けの日本語の字幕や文章が全然違ったことが分かりました。
英語が苦手なので、それまでインフルエンサーの言うことを信じてしまっていました」
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