今から50年近く前、1978年から87年まで「週刊少年サンデー」(小学館)で連載された国民的コミック『うる星やつら』
そのアニメ劇場版第2作である『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』(84)に対し、原作者の高橋留美子が怒っているのではないか?
アニメ業界で、長年にわたってささやかれてきたウワサである。これまで、さまざまな媒体で留美子先生自身が否定してきたが、浮かんでは消える亡霊のような話題である。
このウワサが信ぴょう性をもって語られるには、理由がある。『ビューティフルドリーマー』は、押井守監督が『うる星』の世界観を換骨奪胎し、
ラムちゃんやあたるといった主要キャラクターの再解釈にまで踏み込んだ意欲作なのだ。その作品性は大いに評価されたが、一方で「これは『うる星やつら』なのか?」というファンからの疑問が噴出した作品でもあった。
こんな映画を公開したら、原作者の高橋留美子は怒るんじゃないか? そうした声が上がっても不思議ではない作品なのである。
「高橋留美子は押井守の顔も見たくないと言っている」「会議の席で机を蹴り上げて帰ったらしい」さまざまなバリエーションで、留美子先生の“押井嫌い”がささやかれ、そのたびに論争を巻き起こしてきた。
この論争に終止符を打ったのが、お笑いコンビ・ランジャタイの伊藤幸司だった。そのときの様子が、21日に配信されたポッドキャスト『ランジャタイの伝説の伝説のひとりぼっち集団』で明かされている。
留美子先生との食事会に招かれたという伊藤はその席で、留美子先生に「怒っているって本当ですか?」と聞いたのだという。
普段から無鉄砲な言動で知られる相方の国崎和也も「これは終わった」と感じたというほどの暴挙だが、留美子先生は「ぜんぜん怒ってない」と答えたのだという。
「『あれは押井守さんの傑作です。私のじゃないけど』って」留美子先生は「押井さんにもそういう風に伝わっていたら、本当に嫌」と語っていたといい、何度もこのウワサが持ち上がることに困惑していたという。
図らずも、ランジャタイの伊藤がこのウワサに終止符を打つことになったのだ。それにしても驚くべきは、留美子先生のアンテナの高さである。
この日、ランジャタイを食事に招待したのも、伊藤の著書『激ヤバ』(KADOKAWA)を読んで感銘を受けたことがきっかけだったという。
この春終了した『ランジャタイのがんばれ地上波!』(テレビ朝日系)もチェックしていたというのだから、相当なお笑いフリークである。
それどころか、小学館の大規模パーティーの席で脳みそ夫を見かけた留美子先生は、挨拶をしようと列を作る大量の関係者を差し置いて脳みそ夫に話しかけに行ったのだという。
あの高橋留美子が脳みそ夫の大ファンだというのだ。さらに、パーパーの星野ディスコとカラオケに行ったことがあるとも。それもディスコがYouTubeでバズる前に……。
現在でも「サンデー」で『MAO』を連載している留美子先生。そのあふれ出る創作意欲の源は、意外にも東京地下芸人たちなのかもしれない。
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