警視庁は衆議院東京15区の補欠選挙で、公職選挙法違反にあたるとしてあわせて6件の警告を出し、このうち演説の自由を妨害した「自由妨害」の警告が1件ありました。
捜査関係者によりますと、「自由妨害」の警告を受けたのは、政治団体「つばさの党」の新人・根本良輔氏やこの団体の黒川敦彦代表など3人です。
16日、JR亀戸駅前に姿を見せた根本良輔氏(29)らは、無所属で立候補した乙武洋匡氏や応援にかけつけた政党の幹部らが聴衆に向けて政策などを訴える中、拡声機を使って発言を続けました。
電話ボックスの上にのぼって声をあげる一幕もあり、周辺は一時、騒然となりました。
その後も連日、ほかの候補者たちの演説会場を訪れては、大きな音量で発言を繰り返しました。
今月26日には立憲民主党から立候補した酒井菜摘氏の陣営が街頭で演説をしているのを見つけると、同じ場所で拡声機や選挙カーのスピーカーを使って批判などを繰り広げました。
根本氏らはこうした様子をインターネット上でライブ配信し、ほかの候補者の演説予定をSNSを使って把握していることなども明らかにしていました。
こうした行為を受けて、各陣営は街頭演説の日程をSNS上で公表することを控えたり、演説会場を急きょ変更したりするなど対応に追われました。
ほかの候補者たちからは“選挙妨害だ”とする声があがりました。
立憲民主党 酒井菜摘氏「危険を感じるような場面もあり本当に怖かった。演説の日時を公表できず区民に訴えを届けられなかったことが申し訳ない」
日本維新の会 金澤結衣氏「前代未聞の状況で民主主義の根幹が覆される許しがたい状況だった。公職選挙法の見直しや地域の皆様に迷惑がかからない選挙のやり方を議論したい
無所属 乙武洋匡氏「各候補者の主張を聞く有権者の権利が奪われてしまったことは非常に残念で許しがたい。今の法律上、あのような行為を是認せざるをえないなら何らかの法改正をしていくべきだ」
つばさの党「表現の自由の範囲内だ」
根本氏は今月25日に会見し、ほかの候補者に対する行動について「国政政党が信用できないから政治活動を始めた。
このままでいいのかと問いかけるために質問をしに行っているだけで、暴力的なことをするつもりはない」と説明しました。
また、政治団体「つばさの党」の黒川敦彦代表は「国民に与えられた権利である表現の自由の範囲内で正々堂々と批判している。それを派手にやっているだけだ」と主張し、
警視庁による警告は権力の乱用だとして東京都に賠償を求める訴えを起こしたと述べました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240430/k1001443483...
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