1979年にチャゲ&飛鳥(現:CHAGE and ASKA)として「ひとり咲き」でデビューし、今年芸能生活45周年。66歳を迎えたASKAの勢いが止まらない。
コンサートツアーはもちろん、昨年はグラミー賞を16回受賞している世界的な音楽家・デイヴィッド・フォスターとも共演。
私生活では幼少期から慣れ親しんだ剣道も復帰し、’23年の年齢別全国大会で優勝など、衰え知らずの活躍ぶりだ。
そんなASKAに、プロインタビュアー・吉田豪が7年ぶりに「CHAGE and ASKA」時代のツアージャンパーを着用してインタビューを行った。
ASKAは今、変わりゆく日本の現状に何を思うのか?プロインタビュアー・吉田豪が7年ぶりの真剣勝負に挑む!……かと思いきや話は秋元康をはじめとしたエンタメ界の大物たちとの因縁など四方八方に及び……。
◆YAH YAH YAH「これからそいつを殴りに行こうか」の相手は秋元康だった
吉田:ASKAさんと秋元さんの間に溝ができた発端は、ふたつぐらいあったと思います。最近、古舘伊知郎さんがそのひとつのネタばらしをしていましたね。
フジテレビの音楽番組『MJ-MUSIC JOURNAL』(1992-1994年)で構成担当の秋元さんが「チャゲアスは現代の演歌だ」という企画を流したという。
ASKA:あれは僕たちに対してもそうだけど、演歌の方々に対しても失礼だと思ったんだよ。もともとあの番組への出演をOKしたのはフジテレビの偉い方からお願いされて、
「番組に穴が開いてしまったから、この穴を埋めるにはいまチャゲアスしかいないんだ!」と言われたから。でも、よくよく考えたらおかしいんだよな。穴が開くってどういうことよって。
ああいう番組なら出たい人いくらでもいるわけでしょ。そもそも、穴が開いたっていうこと自体が罠だったんじゃないかって。「秋元コノヤロー」と思うよね(笑)。
吉田:古舘さん曰く、そのときASKAさんが相当怒ってたから、その翌年にリリースされた『YAH YAH YAH』の「傷つけられたら牙をむけ」
「これからそいつを殴りに行こうか」という歌詞は秋元さんや番組に向けられたものだった、と。これは本当なんですか?
ASKA:ホントホント(笑)。でも、当初はそんなつもりの曲じゃなかったんだよ。『YAH YAH YAH』って言葉とサビだけは決まっていた。
全員が手を振り上げているのが見えていて、そこに向かって書き直しているうちにテーマが見えてきた。そこに、ちょうど別件の打ち合わせで来ていた小田和正さんがレコーディング現場にフラッと来て。
「言いたいことがしっかりあるのはいいことだな」って言って出てったのね。その楽曲やメッセージの内容がいい悪いじゃなくて、テーマがきちんとあることを小田さんは感じてくれたんだと思う。
吉田:ドラマ(三谷幸喜『振り返れば奴がいる』1993年)の主題歌になるようなポップソングで、なかなかこの歌詞はありえないですからね。
ASKA:ないよね(笑)。
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