モチベーションの特徴の一つは、人それぞれモチベーションが上がる要素が
異なるという点だ。
他人の趣味嗜好の中に全く理解出来ないものは多い。
高いリスクを犯し、冬山登山に命をかける人が典型だが、
その高いモチベーションの理由を万人共通のロジックで分析することは不可能だ。
また、自分自身でもその理由が分からないこともある。
その理由が分かれば自分で自分のモチベーションを少しはコントロール出来るのだが、
残念ながらそうではない。
モチベーションは多様であることをまず踏まえる必要がある。
人は自分のモチベーションが上がる機会を提供さえすれば、
他人のモチベーションも上がるはずと思い、
自分が他人にミスマッチの働きかけをしたにもかかわらず、
その原因を他人に求める傾向にあるからだ。
よって、モチベーションマネジメントスキルの多くは、効果のある人もいれば、
効果のない人もいると理解すべきだ。
よく成功者は逆境に追い込まれた時、自分のモチベーションが高まった
という話をされる。
しかし、その因果関係は疑わしい。
逆境が必ずモチベーションを高めるということはない。
逆境にあってモチベーションを上げられた人が成功者であることは事実だが、
モチベーションを上げる要素として逆境がある訳ではない。
マネジメントスタイルは上司の自由であり、部下を逆境に追い込んで
モチベーションを高める方法も是認されるべきとの主張も未だ存在する。
しかし、そのような方法はモチベーションマネジメント理論では持続性がなく、
面従腹背、つまり表面上繕うだけに終わる可能性が高いと言われている。
個人的勘と経験だけに基づくマネジメントスタイルを見直すことが必要だ。
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