さすがにこれはマズい。フジテレビの看板枠である月9ドラマ『君が心をくれたから』が、先週放送の第4話まで視聴率が右肩下がりしているのだ。
■着目すべきは視聴率の “高低” ではなく “推移”
このご時世にあえて視聴率が「マズい」と断言するのは、数字が下がり続けているからだ。
近年、TVerなどの見逃し配信で視聴する非リアルタイム視聴勢も増えているため、視聴率が “高いか低いか” はさほど気にする必要はなくなっている。
だが、『君が心をくれたから』の場合、リアルタイム視聴勢が離れていっているのが明白だからヤバいのである。
たとえば今の時代、仮に視聴率3%台とかなり低めからスタートしたドラマでも、第2話で4%台、第3話で5%台と回を重ねるごとに上昇していけば、低視聴率でも「良作」「好調」と評されるだろう。
『君が心をくれたから』ではその逆の現象が起きているわけで、視聴率の低さが問題なのではなく、下がり続けていることが大問題というわけだ。
月9は前々作『真夏のシンデレラ』が全話の世帯平均視聴率5.7%となり、月9歴代最低を記録したが、
その次に放送された前作『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』は、さらに下回って全話平均5.3%と悲惨な結果になっていた。
しかし、『君が心をくれたから』がこのまま下がり続ければ、さらなるワースト記録を更新しかねない。
■“不幸の幕の内弁当” のようなストーリー
『君が心をくれたから』からリアルタイム視聴勢が離れているのは、月曜夜からこんな気持ちが重く暗くなる物語を観たくないという人が多いからではないか。
ここで「ファンタジーラブストーリー」と銘打つ本作の物語をざっとおさらいしておこう。
主人公・逢原雨(永野芽郁)は、10年前の高校時代に心を通わせていた2歳年上の先輩・朝野太陽(山田裕貴)と感動的に再会。だがその直後、太陽は交通事故で瀕死になってしまう。
雨が絶望していると、あの世からの “案内人” を名乗る謎の男(斎藤工)が現れ、雨に過酷な提案をする。
それは雨の視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚をひとつずつ奪っていき、3カ月かけて五感すべてを失う代わりに、太陽の命を助けるというものだった。
第1話では太陽の命が助かるところまでが描かれ、第2話以降で雨の五感が奪われていく展開。第4話終了時点で、雨は味覚と嗅覚を失っている。
第4話では、雨は五感を失っていくことを太陽に隠したままお別れするため、他の男とイチャイチャしているところをわざわざ太陽に見せつけて嫌われようとしており、観ていて鬱々としてしまう。
公式サイトの第5話あらすじを見ると、次に失われるのは触覚になるようなのだが、それだけでなく第5話では2人暮らししている最愛の祖母がガンを患っており、余命2カ月であることが雨に告げられるようだ。
好きな彼が事故で瀕死になり、助けるために自分は五感を失っていき、彼にあえて嫌われるように行動し、今度は祖母が余命わずか――。
今のところまったく救いがない “不幸の幕の内弁当” のようなストーリー。視聴者が離れてしまうのも無理はない。
https://news.yahoo.co.jp/articles/9e357f4731ab00996832c...
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