今から約15年前の2008年頃、ワイングラスを掲げながら「ルネッサ~ンス!」のかけ声で一世を風靡したお笑いコンビの髭男爵。
しかし、その後は仕事が激減。東京・ルミネtheよしもとで開催された『第1回一発屋オールスターズ選抜総選挙』で初代王者に君臨するなど“一発屋芸人”と呼ばれることに。
ツッコミ担当の山田ルイ53世は、文筆業やラジオのパーソナリティとして才能を開花させたが、一方で“じゃない方芸人”と言われてきたひぐち君は、事務所から「何か見つけろ」と言われ続ける日々。
何もない自分に焦りを感じていたが、転機が訪れたのは2015年。ワインエキスパートの資格を取得し、今や「お笑いの仕事は1割、残りはすべてワインの仕事」。ルネッサンスの乾杯ネタを突き詰めた結果、今があるという。
「ワイングラスを掲げるギャグのおかげで、毎年、ボジョレー・ヌーボーの解禁イベントに呼ばれるようになっていました。
たいていスーパーマーケットやショッピングモールで、乾杯を盛り上げて終了だったのですが、
あるとき、品川プリンスホテルで行われたちょっと格式の高い解禁イベントに招かれて、フランス大使館の方やワインに詳しい方々の前で『今年のボジョレーはいかがですか?』と初めて味のコメントを求められたんです」
「何かそれっぽいことを言わなきゃ」と焦ったひぐち君は、聞いたことがあった表現を使って『今年のは重たいですね』と発言。
しかし、その途端、会場には失笑とともにとてつもなく重たい空気が流れたという。
「ボジョレー・ヌーボーは、フレッシュ&フルーティーな味わいを楽しむ新酒なので、重たいわけがないんです。
真逆のコメントでスベッてしまった僕は、ひと口しか飲んでないのに、顔が真っ赤になってしまって。これはちょっと勉強したほうがいいんじゃないかと考えたんです」
「僕はネタも書けませんし、コンビを組んで事務所に入った時から、男爵さん(山田ルイ53世)との実力差もあって、事務所から『何か見つけろ』とずーっと言われ続けていたので、慣れっこになってしまっていたんです。
でも、いつまでもこのままではいけないよなという気持ちもあったので、当時、後輩の小島よしおと飲んでは、どうしたらいいのかを相談していました。『俺、利きイチゴやるわ!』と小島に宣言したときもありました。
翌日のお昼頃、小島から電話がかかってきて、『笑っていいとも』に出演している女優さんが利きイチゴやっているからもうダメですと言われてしまったんですけどね(笑)」
そんな中で出会ったのがワインだったのだ。恥をかいた経験を糧に一念発起、ワインスクールに見学に行ったところ、スタッフから「うちの生徒さんにはキャビンアテンダントの方が多い」と言われ、
その場で申し込みの書類にサイン。知識ゼロの状態から、ワインエキスパートの資格を取るために「人生で一番勉強した」と振り返る。
ちなみに、ワインエキスパートはソムリエと同等の資格。飲食店で働いている人がとるのがソムリエで、働いていない一般人がとるのがワインエキスパートだ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/61ef3034f104a3ea437cd...
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