仮にりゅうちぇるの死因が誹謗中傷だったとしても、太田さんが言うように「人類がここまで落ちた」わけじゃなくて、
もともと人類に備わっているシャーデンフロイデという脳の働きが、SNSによって顕在化しただけでしょう。
普通は、 「誰かを引きずり下ろしたい」という考えを持っている、などと自分で認めることは困難です。
できれば、その人をかわいそうだとか何とか思っていることにしたい。
普通の人にアンケートで聞いたりすると、ウソをついているつもりはなくても、やっぱり「かわいそうだと思う」
とか、「誰かを引きずり下ろしたいと考える人がいるなんて信じられない」なんて答えたりします。
しかし、そんな感情を持つ人がいるなんて信じられない、私には妬みすらない、と堂々と言ってしまえる人は、
自分がサイコパスであるとみんなに思われたい人か、単に脊髄反射しただけの人です。
どんなに自分の「妬み」や「引きずり下ろしたい」という感情を否定しても、脳機能画像には映ってしまいます。
脳をイメージングすると、妬みの対象が引きずり下ろされたときには、喜びが生じている。
その喜びが「シャーデンフロイデ」です。「他人の不幸は蜜の味」といわれる所以ですね。
確かに嫌な感情ではありますが、種として、あるいは個体としての生存のための必要性が、
シャーデンフロイデにもあったと考えられるのです。
要するに人類にとってシャーデンフロイデは、社会を守るために必要な感情だった。
自分たちよりも不当に得をしてる人を許さない。引きずり下ろす、という行動に喜びを報酬として与えて、
促進することが共同体の維持には必要だったということです。
共同体の中で一人だけ目立って得をしてる人がいた場合、その人がその社会のリソースを集めて、
タダ乗りしている可能性が否定できない。
そうすると得になるのはリソースを供出しないタダ乗り戦略なので、みんなが得をしようとして、
しかるべきリソースを出さなくなってしまう恐れがある。
これを放置すれば、ヘタをすると共同体はあっという間に崩壊します。
それを避けるために、不当に得をしている人、あるいはそう見える人を みんなで寄ってたかって叩く。
そのやり方を変えさせよう、共同体から消し去ろう、排除しようとして、激しい攻撃を加えるという行為に
喜びを感じさせることによって、その行動を取らせようとするシステムが人類には備わっているのです。
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