年の瀬の風物詩が、誰も予想しなかった形で復活するかもしれない。国民的な人気を博した『笑ってはいけない』シリーズの新作が、
11月1日にスタートする有料配信サービス『ダウンタウンチャンネル(仮称)』で配信される可能性があるというのだ。その背景にある、さまざまな思惑とは――。
ダウンタウン・松本人志(62歳)が主導する新プロジェクト『ダウンタウンチャンネル』を吉本興業が立ち上げると報じられた当初、ネットニュースを中心にさまざまな「観測記事」が掲載された。
「一部のネットメディアは、『松本の地上波テレビへの決別宣言ではないか』あるいは『Netflixのような黒船となり、
既存のバラエティ番組の脅威になる』などと、地上波と配信の『対立構造』を前提にして記事を構成していました」(民放キー局編成幹部)
結論から言えば、その多くが業界のイロハを理解していないいわゆる「コタツ記事」の類だったという。水面下では、そうした単純な予測をはるかに凌駕する壮大なプロジェクトが進行していたのだ。
「吉本興業の新チャンネルと地上波テレビ、特に日本テレビはライバル関係ではありません。むしろ、これからの時代を共に生き抜くための、新たなパートナーシップを構築しようとしています。
今回の『笑ってはいけない』復活計画は、その象徴となるプロジェクトなのです」(同前)
新たなパートナーシップとはどういうことか。その答えは、日本のエンターテインメント業界の構造そのものにあるという。
「吉本興業の株主には、在京の民放キー局が名を連ねています。
彼らはコンテンツの視聴率や広告収入を巡って競い合っていますが、大局的に見れば、日本のエンタメ市場という一つの船に乗る“運命共同体”でもあるわけです。
パイを奪い合う消耗戦を続けるのではなく、互いの強みを活かして市場全体を拡大していく。今回の『協業』は、そのための極めて合理的な戦略なのです」(日テレ関係者)
今回、日テレは長年培ってきた『笑ってはいけない』の制作ノウハウや発信力を、吉本興業は同コンテンツに欠かすことのできない芸人らのキャスティングやファンコミュニティを、それぞれが提供する。
「互いのリソースを組み合わせることで、新たな価値を創造しようという取り組みになる」(同前)
さらに、『笑ってはいけない』の復活には、キーマンである松本本人の強い意向が反映されているという。
「ネットの世界で自由に表現したいという思いはもちろんあるでしょうが、松本さんのキャリアの根幹は常に地上波テレビにあった。
『ダウンタウンチャンネル』で日テレと組むことは、地上波復帰への足掛かりになるかもしれない。
また、『笑ってはいけない』の復活が実現すれば、『ダウンタウンチャンネル』が圧倒的な話題性を獲得することは間違いない。
そういった視聴者の反応を見れば、地上波バラエティに制作費を拠出しているスポンサーの意向も変化するかもしれません」(吉本関係者)
https://gendai.media/articles/-/15807...
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