次に副作用についてです。
「標準治療はとても副作用が強くて辛いのでは?」というイメージを
持たれている方もいると思います。
「標準治療は効果ばかり考えて、患者の副作用については無視しているのでは?」
と思っている方もいますが、それは完全な誤解です。
標準治療となったものは、必ず副作用についても詳しく調べられています。
どれだけ重い副作用が、どのくらいの頻度で起こるのか、必ず調べられています。
そして、同じ治療効果が得られる治療が複数ある場合には、そのうちで
副作用が最も弱く、発生頻度が最も少ないものが標準治療となります。
もちろん、全く副作用がないわけではありません。
がんは大変に難しい病気ですので、強力な薬剤を使わないと治療効果が
得られません。
そのため、どうしても副作用が伴ってしまいます。
時々「あの民間療法の○○は全く副作用がなくて、標準治療より凄い」
とか言われる人がいますが、それは何の効果もないものを持ち出せば
副作用がないのは当たり前です。
水だって、野菜ジュースだって、副作用がない食品はいくらでもあります。
個人の感想レベルではない、数百人規模での明確な効果証明があるかを
必ずチェックしてください。
効果があるのかが大前提で、その上で最も副作用の少ないものを
選ぶことが大事です。
あと、勘違いして欲しくないのは、医者は決して効果のみ考えて、
患者の辛さを軽視しているわけではありません。
標準治療の中には様々な治療があって、効果が高いが副作用が強いもの、
効果は少し弱いけど副作用がマイルドなものなどがあります。
それらのどれを選択するかは、医師・患者・家族で良く相談して、
患者の最も希望にあうのを選ぶことが行われています。
効果だけしか見ていないわけではありません。
患者・家族が一番幸せな人生を歩めるのはどの治療かを考えながら
標準治療は選択されます。
この辺りも誤解が多いですので、追記しておきます。
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