スリは旅費の元をとれるのか?
結論から言えば、プロのスリ集団にとってオリンピック遠征は極めて「利益率の高いビジネス」であり、旅費の元をとるどころか、莫大な利益を上げている実態があります。
以下に、彼らがどのように「元をとっているか」についての具体的な状況をまとめます。
1. 驚異的な収益額
オリンピックのような大規模イベントでは、プロのスリ集団の稼ぎは個人の想像を絶する規模になります。
1日の稼ぎ: パリ五輪(2024年)の際に検挙されたあるスリ集団は、地下鉄などの公共交通機関だけで1日最大2万ユーロ(約320万円以上)を稼ぎ出していたと報じられています。
組織全体の累計: 同じ犯罪組織(クラン)は、長年の活動で累計約1,500万ユーロ(約24億円)もの略奪品を蓄積していたと推定されています。
2. 「元をとれる」理由
スリがわざわざ国境を越えてまで遠征するのには、経済的な合理性があります。
ターゲットの質: オリンピック観客(特に海外富裕層)は、多額の現金や高級腕時計、最新のスマートフォンを所持している可能性が高いです。
「数」による効率: 混雑した駅やスタジアム周辺では、数分おきに新たなターゲットが見つかります。1回あたりの「仕事」の成功率が高く、短期間で旅費を回収できます。
低コスト・低リスク: 多くのスリ集団は、刑罰が軽い未成年者を実行役に使うなどの組織的な手法をとっており、捕まった際のリスクやコストを最小限に抑えています。
3. プロの組織的な「仕事」
彼らは単独で動くのではなく、高度に訓練されたチームで動きます。
役割分担: 「ターゲットを遮る人」「注意をそらす人(署名活動や偽のアンケートなど)」「実際に盗む人」「盗品をすぐに受け取り現場から立ち去る人」に分かれています。
狙われる物品: 現金だけでなく、iPhoneなどの最新端末や、転売価値の高い高級ブランド品、腕時計が主なターゲットです。
2026年現在の状況
現在開催中のミラノ・コルティナ2026冬季五輪においても、イタリア国内(ミラノのドゥオーモ周辺など)や主要な鉄道路線で、組織的なスリグループの活動が活発化しているとして各国当局が警戒を強めています。
スリにとって、オリンピックは「観戦」の場ではなく、世界中から集まる富を効率よく奪うための「ビジネスの現場」であると言えます。
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