山形県鶴岡市に拠点を置くSpiber(スパイバー)株式会社は同市の慶應義塾大学先端生命科学研究所発のバイオベンチャー企業
(2007年、当時慶應義塾大学の学生だった関山和秀氏(現・代表執行役)らが、山形県鶴岡市にある慶應義塾大学先端生命科学研究所(IAB)での研究プロジェクトをきっかけに創業)
巨額の最終赤字と減損
2024年12月期決算で295億円の最終赤字を計上しました。米国工場の建設遅延や資材高騰が原因で、280億円もの減損損失が発生しています。
362億円の返済期限
独自の資金調達手法(事業価値証券)により借り入れた約362億円の返済期限が2025年末に迫っており、一時は「経営破綻」や「存続の危機」が各メディアで報じられましたが、
2025年12月23日、ソフトバンクグループの孫正義会長の長女、川名麻耶氏が代表を務める企業と事業支援に関する契約を締結したことが発表され、
この支援により、巨額の借入金の返済期限が延長される見通しとなり、当面の経営破綻の危機は回避される形となりました。
参考
ユニクロの繊維開発研究投資
2006年から世界的な繊維メーカーである東レと戦略的パートナーシップを結んでおり、素材開発に深く関与しています。
共同開発の成果: ヒートテック、エアリズム、ウルトラライトダウンなどの革新的素材は、両社の共同研究から生まれました。
研究体制: 1,200名以上のメンバーを擁する東レの研究開発グループと連携し、ナノテクノロジーや高分子化学を駆使した新素材開発を行っています。
最新の動き: 2024年〜2025年にかけては、天然ダウンのような構造を持つ次世代の高機能中わた「パフテック(PUFFTECH)」などの開発に注力しています。
素材そのものの研究だけでなく、デザインや機能性を融合させるためのR&D(研究開発)センターを世界各地に設置しています。
拠点: 東京、ニューヨーク、ロンドン、パリ、上海、ロサンゼルスに拠点を持ち、各地域の顧客ニーズや最新技術を製品開発に反映させています。
近年は環境負荷を低減する「循環型」の繊維開発に多額の投資を行っています。
目標: 2030年までに全使用素材の約50%をリサイクル素材など(低環境負荷素材)に切り替えることを目指しています。
技術開発: 服から服へのリサイクル(再生ポリエステル等)を可能にする分子リサイクル技術の研究や、衣料廃棄物の再利用技術の開発を進めています。
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