>>31 刺青は、明治時代にはすでに「反社会的な存在」として弾圧の対象になっていた。
明治政府による法改正によって「刺青禁止令」が発布されると、社会全体で刺青を
廃絶しようとする風潮が盛んになった。
そして仰るとおり、戦後に「ヤクザのシンボル」となったことがトドメを刺した。
暴力団組織の抗争や組員による事件によって、一般市民までが危険な目に遭い、
時には命を落とすような事件が多発したことで、ヤクザとセットである刺青も、
一般大衆から忌み嫌われる対象となってしまった。
そして暴対法の施行でヤクザが刺青を誇示することができなくなってからは、
「後先考えないバカ」な一般人、つまり「DQN」のアイコンとなり、
「畏怖の対象」から「軽蔑の対象」へと堕してしまった。
さらに、施術時の肝炎感染リスクや、インクに含まれる重金属や発がん性物質が
皮下にとどまらず体内を移動して全身に浸透するというデメリットも知られてきた。
残念ながら、100年経とうが1000年経とうが、一度ついてしまった悪いイメージが
払拭されることはないだろう。
そもそも、原住民がよくやるように、身体にやたらとゴテゴテした飾りを付けたり
ゴチャゴチャした刺青を入れたりするのは、デザイン的にはレベルの低い行為なので、
時代が進み、人々の美的感覚が進むにつれて、淘汰されて行く一方だと思われる。
殊に刺青に関しては、元々の目的であった「魔除け」や「既婚であることの証し」、
割礼と同様の「通過儀礼」、身動きの取りにくい着物姿よりも、ふんどし一丁で
仕事をすることが多かった鳶や飛脚が、「地肌をさらすことは恥ずかしい」と考えて
服の代わりに刺青を身にまとった…などの意味合いを失い、役割を終えてしまった
感がある。
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