●一流のスポーツ選手が非科学的な代替医療にハマりやすいのはなぜか?
一流のアスリートは科学的なアプローチでトレーニングを行いますが、
中には科学的根拠に乏しい代替医療を受けている選手も存在します。
科学的に有効性が裏付けられていないにもかかわらず、
なぜ一流のアスリートが代替医療を信じてしまうのかについて、
カリフォルニア大学ロサンゼルス校医学部運動生理学・呼吸器内科の
リサーチフェローであるニコラス・B・テイラー氏が解説しています。
競泳のオーストラリア代表であるカイル・チャルマーズ選手は、
2021年に開催された東京2020オリンピックの男子100m自由形で銀メダルを取得しました。
自己ベストを更新してのメダル獲得はオーストラリアを大きく湧かせましたが、
同時に「背中や足に無数にある赤く丸い跡」がテレビに映り、話題となりました。
チャルマーズ氏の体に刻まれたの丸い跡は「カッピング」の跡でした。
カッピングとは、小さなガラス製のカップをケガした箇所や痛みのある部位に置き、
カップ内部の空気を抜くことで肉を吸い込ませるという民間療法で、
「体内のエネルギーの流れを刺激し、体内に停滞した血液や毒素を取り除くことができる」
とうたわれています。
しかし、カッピングの有効性は痛みを和らげることはあっても、ケガの回復を早めたり
毒素を取り除いたりするという効果は認められないという研究が発表されています。
また、ドイツのビーチバレー代表だったカトリン・ホルトヴィック選手も、
2012年のロンドン五輪であまりにも珍妙なテーピングをしていたことで話題となりました。
このテーピングは「Large Fan Spider」というもので、「筋肉に負担をかけ、ケガの回復を早める効果がある」
と主張されていますが、もちろんテーピングにそういった効用があることは科学的に一切証明されていません。
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