東日本大震災後、救援活動をするため現地に入り、自警団にも帯同していたという
NPOスタッフのKさんが証言する。
「この港町も津波で壊滅的被害を受け、治安が悪化していました。
そこで無事だった消防団のメンバーが、倒壊した家屋の多い地域を中心に巡回していたんです。
トラブルが起こったのはパトロールを始めて2日目のことでした――」
深夜1時を回った頃、自警団は倒壊家屋の前に停まった不審車を発見した。
家の中を覗くと、40過ぎの男が部屋を物色している。
「あいつ、誰だ?」
こちら側に気づくと、そのまま男は逃げようとした。
「火事場泥棒か!」
自警団5人は、男を取り囲んだ。
すると男は手に持っていたバールを振り回す。
ただし、5人も護身用に鉄パイプを持っている。
大立ち回りの末、男は自警団に取り押さえられたという。
問題はその後だった。
「男に対して5人は殴る蹴るの暴行を加えたんです。男は既に無抵抗だった。
私は『もう、やめないと危ない』といったんですが、自警団のリーダーは
『おう、こんな奴、死体にして転がしておいても、今ならわからんだろう』って。
相当熱くなっていました」
結局、その場はKさんが諫め、後から呼んだ警察によって事態は収束に向かった。
先に男がバールで暴れてきたため自警団側に“お咎め”はなかった。
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