島崎さんは亡くなる約1週間前にインフルエンザに感染し、
体調を悪化させていたという。
インフルエンザが直接の死因であると断定はできないが、
インフルエンザ感染後に死亡するリスクはどれくらいあるのか。
乳幼児から未成年まで怖いのが「インフルエンザ脳症」だ。
国立感染症研究所の統計によると、新型コロナ流行前の2019年から2020年シーズンで、
インフルエンザ脳症は134人が報告された。
脳症を引き起こす頻度そのものは低いが、脳症になると死亡率は30%と高く、
命を取りとめても脳に障害が残る後遺症の出現は25%にのぼる。
子供や若者に関しては、インフルエンザ脳症や高熱により意識が朦朧とした状態で
「窓から転落死」する事例もある。
「もう小さくないから」とインフルエンザで自宅療養中の中学生や高校生、
大学生の子供だけを残して外出するのは、できれば避けてほしい。
乳幼児の場合は、発熱に伴う脱水も起こしやすい。
いつもより排尿の回数が少ない、色が黄色い、濃いと思ったら
「すでに脱水を起こしている」サイン。
氷水や経口補水液、ゼリーやアイスキャンデーなどで水分補給し、
水が飲めないようならすぐに医師に相談してほしい。
大人の場合は年齢別にみると、50代までの死者数はゼロに近いが、
60歳を境にインフルエンザの死亡者数は増えていく。
60代で5人から10人、70代になると10人から20人、
80代以上になると50人以上の死亡例が例年報告されており、
年間約1万人近くがインフルエンザ関連死するといわれる。
特に糖尿病患者やヘビースモーカーは肺炎にかかりやすく、
インフルエンザと診断されてわずか2日で肺炎が急激に悪化して
命を落とすこともある。
インフルエンザを過度に恐れる必要はないが、
大人も子供も脱水と体力の低下で血栓や痛風発作、
他の感染症などを招くので、こまめな水分補給と、
消化がよくて栄養のある食事を摂り、休養あるのみだ。
重症化を抑えるためには、ウイルスが体内で増殖する前に
インフルエンザ治療薬を飲むことが有効となる。
週末に熱が出ても動けないかもしれないが、
土日診療している医療機関を昼間のうちに受診するのが理想的だ。
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