埼玉県の自民党県議団が県議会に提出した虐待禁止条例改正案がSNS(ネット交流サービス)上などで波紋を呼んでいる。
小学3年生以下の子供を自宅などに残して外出したり、公園などに放置したりすることを禁じた「留守番禁止」「放置禁止」の規定に対し、
子育て世代とみられる人たちなどから「現実的ではない」などと疑問の声が噴出している。
「保育園児がいるシングルマザーです。この条例が可決されたら、生活していけません」「一人親家庭には死ねと言っているも同然。子育て家庭は今すぐ埼玉から転居することをお勧めします」
改正案に罰則規定はないが、子供を預ける環境が身近になければ外に働きに行くことが難しくなることから、一人親家庭の人たちには極めて深刻な問題と映ったようだ。
しかし、この問題は何も一人親に限った話ではない。夫婦共働きの家庭にも影響が及ぶ。
「今でさえ子育てと仕事を何とかやりくりしているのに、働きながらこれは無理があります。専業主婦が少なくなっている昨今、時代錯誤です」
この投稿者は「可決されたら埼玉から引っ越したり、子供を産まない選択をしたりする人も出そうな予感がします」と続けた。
「『きょうだい育児改正案では、養護者の義務として、小学3年生(9歳)以下の児童の放置禁止のほか、同6年生(12歳)以下の児童についても努力義務とした。
養護者に当たるのは保護者や保育士、教職員など。自民県議団は、未成年のきょうだいと一緒に自宅にいても「放置」とする。
こうした規定に対し「放置はよくありませんが、生活の中での一般的な範囲でのお留守番や子供たちだけでの行動に制限をかけること自体が無謀すぎます」という声もあった。
これは保護者が働いているかに関わらず、対象家庭に共通する懸念だ。
また、兄に弟の面倒を見させて働きに出ているとみられる人からは「こんな条例成立したら、『きょうだい育児』やっていられません」といった投稿もあった。
議会では改正案に反対の会派から「子育て家庭への負担が大きい」などと反論が相次いだ。
しかし、10月6日の福祉保健医療委員会で賛成多数で可決されたことから、13日の本会議で成立する見通しだ。自民は「成立すれば全国初の条例」としているが、批判の矛先は議員にも向けられた。
「一生懸命子育てしている人たちの意見は聞いたのだろうか。車内の放置に対する規定は理解できますが、自宅の規定は非現実的」「こんなの発案した議員は子供いるの? 奥さんに聞いてみたら?」
「この条例案を作った人にお子さんがいるとしたら全く育児に参加してこなかったんじゃないのかと思う」
https://mainichi.jp/articles/20231007/k00/00m/010/...
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