…明治期に近代的な租税制度が導入されてからの歴史を見ると、意外と税金は時代の世界情勢を反映して変化していることがわかります。
もともと近代の税制は、支配者層(富裕層)に有利に作られていました。
貴族など富裕層は代々富裕層でいられたわけです。
それが、累進的な課税制度、すなわちお金持ちにはそれなりの高い税金が課されるようになった契機は、ロシアの社会主義革命です。
資産家と労働者・農民などとの貧富の格差が明確となりロシアで社会主義革命が成功したことは他の先進諸国にとって衝撃だったのでしょう。
自国でも革命が起きては大変と、より公平な税制度が導入されました。
戦後の日本でも労働争議が起き、学生運動も盛んになりました。
その世相を反映して、今の中国よりも富裕層に酷な90%近い相続税、所得税が実現しました。
ところが、その社会主義も90年代に崩壊してしまいました。
世界経済も大きく変わりました。
だれもが「金持ち父さん」を望むようになったのです。
数少なく残った中国ですら資本主義的経済が導入され、本来はあり得ないお金持ちが誕生するようになりました。
その世相を反映して、税金も富裕層有利に変化します。
日本でも相続税減税、所得税も高額所得層の税率が引き下げられ現在の最高税率約50%に至っています。
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