■痩せた高齢者がなぜ糖尿病に?医師が語る「筋肉量」と健康の深い関係
【医師が解説】痩せているのになぜ? 筋肉量が少ないと糖尿病リスクが上昇する理由
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「昔、私が診察をしていた頃によく思ったことがあります。
70代、80代くらいの、とても細身の高齢女性が、ある日突然、糖尿病を発症するケースです。
食が細く、決して太っているわけではない。当時は『なぜだろう…?』と不思議でなりませんでした。」
長年、多くの方が「糖尿病は肥満の人がなる病気」と考えてきました。
しかし、最新の研究によって、この常識を覆す事実が明らかになってきています。
その鍵を握るのが「筋肉量」です。
今回は、日本人131万人という非常に大規模なデータを基にした研究から、
「筋肉量と糖尿病の密接な関係」について、そして高齢者にとって筋肉が
いかに大切かをお話しします。
●「太っていないから大丈夫」は間違い? 最新研究が示す新事実
医学雑誌『Journal of Diabetes Investigation』に掲載された、日本人131万人を対象とした研究は、
私たちの思い込みを覆す衝撃的な結果を示しました。
この研究では、参加者の筋肉量を比較し、その後の糖尿病発症リスクとの関連を調査しました。
その結果は明らかでした。
筋肉量が最も少ないグループは、最も多いグループと比較して、糖尿病リスクが男性で27%、
女性で10%も上昇。
筋肉量が少ないほど、糖尿病になりやすいという明確な傾向が見られました。
これは、体重やBMI(肥満度指数)だけを見ていては、本当の糖尿病リスクを
見逃してしまう可能性があることを示しています。
特に、冒頭でお話ししたような「痩せている高齢者」の糖尿病発症の謎を解く、
重要なヒントとなります。
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