ダニング=クルーガー効果の意味を「愚かな人が自分を過大評価すること」と
限定的に解釈してしまうと、人は自己啓発と批判的思考の機会を逃すことになります。
そして、皮肉なことに、これもまたダニング=クルーガー効果の一部といえます。
近年はワクチン接種に関しても、
「反ワクチン派の人々は、知識レベルが著しく低い時に『自分は医師よりも多くを知っている』
と思いがちである」ということが研究で示されています。
このようなダニング=クルーガー効果の研究は2019年時点でも進行中であり、
「自己評価能力」もまたダニング=クルーガー効果のカギであると考えられています。
つまり、ある分野の知識が不十分だと、自分の知識がどれほどのものなのかを
評価することすらままならなくなるということ。
最初の知識を得てからしばらくは、「全く知識を持たなかった時の自分」と比較して
自信が大きくなります。
しかし、あるラインを越えると、「自分の知らない知識がどれほど存在するのか」が見え、
本物の専門家がどれほどの知識を持っているのかを理解するのです。
このことを認識していれば、自分の専門分野とそうでない分野についても評価に役立つはず。
なお、ダニング=クルーガー効果はナルシズム傾向といった個人の性格にも影響されるもの。
「知識がないこと」「自分を過大評価すること」「批判を受け取らないこと」の組みあわせで
ダニング=クルーガー効果が大きくなると考えられています。
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